目的

近年、健康・教育・防犯などの様々な分野で、ある現象が起こる要因を個人と地域の両面から説明する「マルチレベル研究」が注目を集めています。しかし、それらを統合的に分析しうる規模・範囲の統計データは構築されていません。本研究は、個人と地域の情報を併せもつ地理的マルチレベルデータの構築・公開・分析を通じて、日本における地理的マルチレベル現象を統合的に解明することを目的としています。このデータは、人々の意識・行動・属性と、地理的文脈(地域特性)との相関性や因果関係を解明する鍵となるものです。本研究を幅広いテーマの現象解明に役立てるとともに、地理学における統計的調査法の体系化や、データ公開を通じた研究基盤の構築にも貢献したいと考えています。



本プロジェクトは科研費(基盤A:17H00947)「地理的マルチレベル現象の解明に向けた基盤的データの構築」(代表:埴淵、研究期間: 2017-2021年度)の助成をうけています。

[研究組織]

埴淵知哉(東北大学 環境科学研究科)

中谷友樹(東北大学 環境科学研究科)

村中亮夫(立命館大学 文学部)

保田時男(関西大学 社会学部)

矢部直人(東京都立大学 都市環境学部)

山内昌和(早稲田大学 教育・総合科学学術院)


●主な研究成果

埴淵知哉・村中亮夫(編) 2018. 『地域と統計―<調査困難時代>のインターネット調査』ナカニシヤ出版.

埴淵知哉・中谷友樹・上杉昌也・井上 茂 2020. インターネット調査と系統的社会観察による地理的マルチレベルデータの構築. 地理学評論 93 (3): 173-192.